▶ アーティストページ:Giriboyと僕。
2021年10月14日リリース。
「avante(アバンテ)」、現代自動車のセダン「アバンテ」から来ている。
前進する、という意味を持つタイトルを掲げながら、中身は墜落と別れで埋め尽くされている。
それがギリボイだ。
Just Music所属時代の9枚目のフルアルバム。
「9컷(9カット)」でバラードの完成形を見せた翌年、ギリボイは「前進」というタイトルの下に10曲を並べた。
「avante」は逆説の塊だ。
前に進もうとしながら、ずっと後ろを見ている。
そのアンビバレンスが、このアルバムの最大の魅力だ。
- 目次
- 作品概要
- 「avante」というタイトルについて
- アルバムの流れ
- 各曲紹介
- 01 사자サジャ(獅子・死者)
- 02 내일은ネイルウン 없다オプダ feat. lIlBOI, nafla(明日はない)
- 03 그리고グリゴ 돌아섰다ドルアソッダ★タイトル曲
- 04 추락チュラッ(墜落)
- 05 우린ウリン 결국ギョルグッ 그렇게グロッゲ feat. Seori(私たちは結局そうなった)
- 06 그럴グロル 수도スド 아닐アニル 수도スド feat. JINBO(そうかもしれないしそうじゃないかもしれない)
- 07 엉망진창オンマンジンチャン★タイトル曲
- 08 그땐グッテン 어렸으니까オリョッウニッカ(あの頃は若かったから)
- 09 시공간シゴンガン(時空間)
- 10 어쩌라고オッチョラゴ(どうしろっていうんだ)
- ギリボイとJust Musicの関係
- 総評
- 個人的ランキング
- ギリボイというアーティストについて
- 2021年の韓国音楽シーンとavanteの位置づけ
- 「그리고 돌아섰다」の歌詞から読む別れの哲学
- このアルバムの聴き方の提案
- マルのひとこと
- ギリボイのアルバム群の中での位置づけ
目次
- 作品概要
- 「avante」というタイトルについて
- アルバムの流れ
- 各曲紹介
- ギリボイとJust Musicの関係
- 総評
- 個人的ランキング
- ギリボイというアーティストについて
- 2021年の韓国音楽シーンとavanteの位置づけ
- 「그리고 돌아섰다」の歌詞から読む別れの哲学
- このアルバムの聴き方の提案
- マルのひとこと
- ギリボイのアルバム群の中での位置づけ
作品概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2021年10月14日 |
| 形態 | 9thフルアルバム(全10曲) |
| ジャンル | ヒップホップ / バラード |
| 所属 | Just Music |
| タイトル曲 | 그리고 돌아섰다 / 엉망진창(滅茶苦茶) |
| 客演 | lIlBOI / nafla / Seori / JINBO |
「avante」というタイトルについて
「avante」は現代自動車の代表的なセダンモデルの名前だ。
韓国では長らく「中産階級の車」として親しまれてきたファミリーカーで、特別ではないが、確実に前に進む日常の乗り物だ。
「前進」を意味するタイトルを持つアルバムで、全10曲が後ろを向いている。
墜落、別れ、諦念、若い頃の後悔。
「前進するための車」の名を冠しながら、バックミラーばかり見ているようなアルバムだ。
この逆説こそが、このアルバムの核心だ。
後ろを向くことも、立ち止まることも、全部含めて「前進」だ、とギリボイは言いたいのかもしれない。
アルバムの流れ
「前進」というタイトルの裏で、全10曲が失墜・別れ・諦念・懐かしさを歌い続ける。
その逆説的な構成が、このアルバムの最大の魅力だ。
タイトル曲は2つ。
「そして背を向けた」という静かな別れの曲と、「滅茶苦茶」という混乱した感情の叫び。
avanteというアルバムは、その間のどこかに立っている。
lIlBOI、nafla、Seori、JINBOという客演陣。
lIlBOIとnaflaという強力なラッパーコンビが2曲目を担い、SeoriとJINBOという個性派がアルバムの中盤に彩りを加える。
全体を通して、ギリボイの声が前面に出ながら、適切な場所に他者の声が差し込まれる設計だ。
各曲紹介
01 사자サジャ(獅子・死者)
「사자」には「獅子」と「死者」の二重の意味がある。
「獅子として生まれ、豚のように生き、犬のように食い散らかす」、苛烈な社会と、その中で自分が何者になったかを問うアルバムの幕開け。
この二重の意味(獅子/死者)が、このアルバムの「前進/後退」という逆説を最初の曲で提示している。
「獅子として生まれた」のに、今は何者か。
「avante(前進)」というタイトルのアルバムが、「死者」という言葉で始まる。
そのギャップが、アルバム全体の緊張感の始まりだ。
02 내일은ネイルウン 없다オプダ feat. lIlBOI, nafla(明日はない)
「明日はない」という刹那的な宣言。
lIlBOI・naflaという強力なラッパーを迎えたポッセカットで、未来への諦念と今この瞬間だけを生きる感覚を全力で鳴らす。
lIlBOIはZion.Tの「Standard Friends」レーベルに所属する重要なラッパーだ(後にギリボイが移籍する先の同レーベル仲間でもある)。
naflaはJust Music所属の先輩ラッパーで、ギリボイとの共演はこれが複数回目だ。
「明日はない」と三人で宣言する刹那性が、「avante(前進)」というタイトルと真逆で面白い。
03 그리고グリゴ 돌아섰다ドルアソッダ★タイトル曲
別れの決定的な瞬間、背を向けて去っていく、その一場面を静かに切り取った曲。
振り返らずに歩いていく後ろ姿が、言葉より雄弁に語る。
「그리고(そして)」という接続詞から始まるタイトルが独特だ。
この「そして」の前には、何かがあった。
語られない「その前」があって、「そして背を向けた」。
省略された始まりが、別れの深さを際立てる。
前を向くのではなく「背を向ける」、それが「avante(前進)」の文脈でどれほど皮肉かを考えると、このタイトル曲の選択の意図が見えてくる。
04 추락チュラッ(墜落)
落下、失墜、崩壊。
「avante(前進)」というアルバム名とは正反対の重いトラック。
しかし、落ちることを知っているから前進できる、という逆説がここにある。
「墜落」という言葉の物理的なイメージが、音楽的にも重力を感じさせる。
ビートが沈んでいく感覚、声が落ちていく感覚。
「前進する車」の名を持つアルバムで、4曲目が「墜落」だ。
上昇と墜落、前進と後退を繰り返しながら、人は生きている。
その正直な記録が「avante」というアルバムだ。
05 우린ウリン 결국ギョルグッ 그렇게グロッゲ feat. Seori(私たちは結局そうなった)
「결국」という言葉が切ない。
最初からわかっていたような、でも認めたくなかったような、関係の終焉をSeoriと穏やかなデュエットで受け入れていく。
Seoriは繊細な感情表現が得意な女性シンガーで、この曲ではギリボイの乾いた諦念と対照的な、柔らかい受容を体現している。
「결국(結局)」という言葉には、抵抗した時間の重さが込められている。
最終的にはこうなった、という結末を穏やかに受け入れる二人の声が、この曲を静かに美しくしている。
06 그럴グロル 수도スド 아닐アニル 수도スド feat. JINBO(そうかもしれないしそうじゃないかもしれない)
これほど正直なタイトルもない。
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」、曖昧なままで決断しない、それがギリボイのラブソングの核だ。
JINBOとの共作で、その曖昧さが丁寧に音楽になっている。
JINBOは韓国のSSW(シンガーソングライター)・プロデューサーで、長いキャリアを持つ職人だ。
そのJINBOとの共作で生まれたこの曲は、「どっちでもある」という優柔不断を肯定する。
答えを出すことが美徳とされる世界で、「そうかもしれないしそうじゃないかもしれない」と堂々と言える人間の強さ(あるいは諦め)を、長いタイトルで表現した。
07 엉망진창オンマンジンチャン★タイトル曲
タイトル通り、混乱した感情をそのまま叩きつけたトラック。
「そして背を向けた」と静かに別れを告げた後で、「滅茶苦茶」と叫ぶ。
その落差がリアルだ。
タイトル曲の2曲が持つ対比が面白い。
3曲目の「그리고 돌아섰다」は静かで詩的な別れ、7曲目の「엉망진창」は混乱した感情の爆発。
どちらも同じ「別れ」から来ているが、その処理の仕方が正反対だ。
静かに背を向けることも、滅茶苦茶に叫ぶことも、どちらも「本当のこと」だから、どちらもタイトル曲になる。
08 그땐グッテン 어렸으니까オリョッウニッカ(あの頃は若かったから)
「若かったから」という言い訳は、自己弁護でもあり自己許容でもある。
過去の自分を懐かしみながら、でも今の自分を肯定する、そういう微妙な距離感のある曲。
20代の後半に差し掛かったギリボイが、10代・20代前半の自分を振り返るような、内省的な一曲だ。
「若かったから」という言葉には、言い訳と許容と懐かしさが混在している。
当時は気づかなかった、若かったから仕方ない、でも今は少し違う。
その「少し違う」だけで前進していると言える。
「avante」というアルバムで、この曲が前進の証拠かもしれない。
09 시공간シゴンガン(時空間)
時間と空間を超えた思い出の不変性を歌う。
変わっていくものと、変わらないものについての、哲学的な問いかけ。
「時空間」という言葉の広さが、このアルバムの中で最も「外」を向いた曲だ。
個人の恋愛や別れを超えて、存在そのものへの問いが始まる。
10 어쩌라고オッチョラゴ(どうしろっていうんだ)
「どうしろっていうんだ」、投げやりな言葉でアルバムが終わる。
疲弊と諦め、でもまだここにいる。
前進を意味するavanteで始まり、この問い捨てで終わる。
それがギリボイの正直さだ。
「어쩌라고(どうしろっていうんだ)」というタイトルは、相手への問いかけでもあり、自分への問いかけでもある。
「これでどうしろっていうんだ」という無力感と、「じゃあどうする?」という問いかけの両方だ。
「avante(前進)」というアルバムが、「どうしろっていうんだ」という問いで終わる。
前進は、答えが出た後ではなく、答えのないまま始まるものなのかもしれない。
ギリボイとJust Musicの関係
このアルバムは、Just Musicでのギリボイのキャリアも後半に差し掛かった時期の作品だ。
2011年にJust Musicと契約してから10年、レーベルでのキャリアは充実していたが、次作(10枚目)でそのレーベルを離れることになる。
「avante(前進)」というタイトルが、Just Music時代の後半における「前進」の記録になっている。
墜落も、滅茶苦茶も、「どうしろっていうんだ」も、全部含めた前進。
そのリアルさが、このアルバムを後から聴き返すと余計に重くなる。
総評
「avante(前進)」と名付けながら、全10曲が後ろを向いている。
でも、それでいい。
後ろを向くことも、立ち止まることも、全部含めて「前進」だ。
「사자」から「어쩌라고」まで、ギリボイの正直さが10曲にわたって鳴り続ける。
客演陣もそれぞれ的確な役割を果たし、アルバムの多様な感情を豊かにしている。
Just Music時代の後半、次の移籍を前にした時期のアルバムとして、このavanteは「前進するための整理」でもあったのかもしれない。
「そして背を向けた」のは別れた相手だけでなく、いずれ自分のレーベルへの「背を向けた」の予兆でもあった。
個人的ランキング
1位 그리고 돌아섰다
2位 우린 결국 그렇게 feat. Seori
3位 사자
ギリボイというアーティストについて
ギリボイ(기리보이、本名: 홍시영)は1993年生まれの韓国のラッパー・シンガーだ。
学生時代からSoundCloudで曲を発表し始め、その感受性の豊かさと言葉の正直さで注目を集めた。
2011年にJust Music Entertainmentと契約し、以降一貫して「自分のことを正直に書く」スタイルを貫いている。
ギリボイの音楽的な特徴は、「感情を解剖する」能力だ。
喜怒哀楽を大きく叫ぶのではなく、感情の細かいグラデーションを丁寧に言語化する。
「なんとなくこういう感覚、わかる?」という共感を呼ぶ歌詞が、幅広い年齢層に刺さる理由だ。
「avante」のような逆説的なタイトルをつける感性も、そのアーティストとしての本質から来ている。
2021年当時、ギリボイはJust Musicキャリアの後期に差し掛かっていた。
2011年の契約から10年、数多くのアルバムをリリースし続けてきたが、「avante」の次作となる2023年の「소설 쓰고 자빠졌네(小説書いて倒れたね)」からはZion.Tが主宰する「Standard Friends」レーベルへ移籍している。
その意味で「avante」は、Just Music時代の最後のフルアルバムとして、特別な位置を持つ。
2021年の韓国音楽シーンとavanteの位置づけ
2021年は、BTSやBLACKPINKがグローバルに爆発した時期でもあり、韓国のヒップホップシーンでも世代交代の波が訪れていた。
「Show Me The Money」の影響でアンダーグラウンドのラッパーがメインストリームに流れ込み、韓国ヒップホップの聴衆は急速に広がった。
そんな時代に、ギリボイは「avante」という内省的なアルバムをリリースした。
派手なトレンドではなく、自分の感情に正直であること。
そのスタンスは2021年に限らず、デビューから一貫している。
「前進」という名のアルバムで後ろを向き続けるという逆説は、その時代のヒップホップシーンへの静かなアンチテーゼでもあったかもしれない。
客演陣のlIlBOIは後にギリボイが移籍するStandard Friendsの仲間でもある。
この時点ではまだJust Music所属のギリボイが、移籍先の仲間と共演していたという事実が、今から振り返ると興味深い。
「avante(前進)」というタイトルには、次のステージへの助走期間という意味もあったのかもしれない。
「그리고 돌아섰다」の歌詞から読む別れの哲学
タイトル曲「그리고 돌아섰다(そして背を向けた)」は、ギリボイの別れの歌の中でも特別な作品だ。
「そして」という接続詞で始まるタイトルは、その前に何かがあったことを示唆する。
語られない「その前」が、聴き手の想像力を刺激する。
「背を向ける」という行為は、「別れを告げる」とも「逃げる」とも異なる。
正面から向き合った後で、静かに向きを変えて歩き出す。
そこには意志と諦念と、両方が含まれている。
ギリボイはその行為を「前進」とは言わない。
ただ「背を向けた」と言う。
その言葉の選択に、ギリボイの誠実さが凝縮されている。
対照的な2つ目のタイトル曲「엉망진창(滅茶苦茶)」は、その「静かな別れ」の裏側を見せる。
表向きは静かに背を向けたが、内面は「滅茶苦茶」だった。
2つのタイトル曲がセットで「別れ」の全体像を描く構造は、ギリボイならではの細やかな感情の設計だ。
このアルバムの聴き方の提案
「avante」は、秋の夜に一人で聴くのに向いているアルバムだ。
韓国では「avante(アバンテ)」は秋の高速道路を走る中産階級のセダンのイメージがある。
長距離を黙って走る車の中で、このアルバムをかける。
1曲目の「사자」から10曲目の「어쩌라고」まで、40分弱の旅だ。
韓国語がわからなくても、ギリボイの声の温度変化で感情の流れは伝わる。
「그리고 돌아섰다」の静けさと、「엉망진창」の混乱の落差は、言葉を理解しなくても体感できる。
まずは曲の雰囲気を楽しんで、気に入った曲の歌詞を掘り下げるのが、このアルバムへの理想的なアプローチだと思う。
特にSeoriとの「우린 결국 그렇게(私たちは結局そうなった)」は、韓国語がわからなくても声の絡み方だけで十分に感動できる。
Seoriの柔らかい声とギリボイの乾いた声が交差する瞬間、言語の壁を超えた何かが届く。
それがK-POPやK-HIPHOPの普遍性だと、このアルバムを聴くたびに思う。
マルのひとこと
「前進」という名前のアルバムで全10曲が後ろを向いているという逆説に、最初はクスッとしたけれど、聴き進めるうちにそのリアルさに引き込まれた。
「어쩌라고(どうしろっていうんだ)」で終わるアルバムが「avante(前進)」なのは、答えが出なくても前に進むしかないという、ギリボイの覚悟の表れだと僕は思っている。
このアルバムを聴いて、「前進」とは正面を向いて歩くことだけじゃないと気づいた。
後ろを向いたまま、泣きながら、どうしろっていうんだと叫びながら、それでも時間は流れて気づけば前進していた。
そういう人間の不器用さを、ギリボイはいつも愛おしく歌う。
10曲聴き終えた後、「avante」という言葉が以前と違う意味に聞こえる。
それがこのアルバムが好きな理由だ。
Just Musicでのキャリアを締めくくる一枚として、後から聴き返すと、また別の感慨がある。
「そして背を向けた」のは、いずれJust Musicへの別れでもあったのかと、今となっては思う。
「avante」は前進のための、静かな別れの記録だ。
ギリボイのアルバム群の中での位置づけ
ギリボイのディスコグラフィーを並べると、「avante」は非常に重要な位置にある。
前作「9컷(9カット)」は16分10曲という超コンパクトなバラードアルバムで、完璧な短編映画のような完成度を持っていた。
その後に来る「avante」は10曲・約40分と、より標準的なアルバムの規模に戻っている。
「9컷」での極致的な凝縮から、「avante」での広がりへ。
その振れ幅もギリボイの音楽の魅力だ。
また、次作「소설 쓰고 자빠졌네(小説書いて倒れたね)」からレーベルが変わることを考えると、「avante」はJust Music時代のギリボイの総決算とも言える。
「사자(獅子/死者)」という二重の意味を持つ言葉でアルバムが始まり、「어쩌라고(どうしろっていうんだ)」という問いで終わる。
その構成が、Just Music時代の終わりを予感させる。
ギリボイを初めて聴くなら「9컷」から入る人が多いが、「avante」はその次のステップとして最適なアルバムだ。
「9컷」の静謐なバラードから、「avante」のより多様な感情の広がりへ。
ギリボイがどれだけ幅広い感情のパレットを持つアーティストかが、このアルバムで実感できる。
「avante」は2021年10月にリリースされた。
コロナ禍で世界中が停滞した時期、それでも「前進」というタイトルを選んだことに、ギリボイのある種の意地が感じられる。
止まれない、止まらない、答えが出なくても前に進む。
「どうしろっていうんだ」と叫びながら、それでも車(avante)は走り続ける。
それがこのアルバムが僕に与えてくれたものだ。
ギリボイのアルバムを年代順に聴いていくと、各作品が一つの感情の断章になっていることに気づく。
「avante」は「前進」という命題と「別れ・墜落・混乱」という現実の衝突を正直に記録した断章だ。
2021年のギリボイが感じていた「どうしろっていうんだ」は、今聴いても新鮮に響く。
なぜなら、その感覚は2021年に限ったものではないからだ。
前に進もうとしながら後ろを向いてしまう、その人間らしさは時代を超える。
「avante」が放つ普遍性は、そこにある。
このアルバムを初めて聴いた夜、僕は「前進」という言葉の重さについて久しぶりに考えた。
答えが出ないまま前に進む勇気を、ギリボイは「avante」という車の名前に込めていたのかもしれない。
ギリボイを聴くたびに、日本語で感情を書くことの難しさと楽しさを同時に感じる。
彼の歌詞に触れると、自分の言葉でも何か書きたくなる。
そういう創作意欲を刺激するアーティストだ。
▶ アーティストページ:Giriboyと僕。


